四国八十八ヶ所第六番安楽寺 山王 畠山秀峰


真理の花たば
 書道は、近年盛んになり今や書道人口は三千万人と言われている。
 弘法大師は、「−空海ー筆を下ろせば文成りー書法に於いて最もその妙を得たりー」と続日本後記(835年)にあるが、今に至っても書道においては弘法大師の右にでる人はいないといわれている。
 その大師の末徒として、大師の書蹟を鑑賞し、学ぶことは最もよろこびとするところであり、筆を持ち遊びはじめてもう三十年になろうとしているが、いまだに納得ゆく線の引けないままである。
 此度、先師の風をついで畏れ多いことだと思いながら筆をとった。
 この文は、弘法大師ののこされた書簡を納めた「捨遺雑集」の中から選んだもので、意味がわかりやすいように現代語訳を下に添えることにした。
四国六番安楽寺 山王 畠田 秀峰


きんひん かんらい じしんにかんず
「径行 観礼 自心感
(唐の国金山寺に於いて)
径行(径を読みながら歩く)
観礼(仏を勧想し礼拝する)すればおのが心に仏感応したもう


ゆうことなかれ このはな いまひらくと
「莫道 此華 今年発
(因縁の詩)
この花は往年種子をまいたればこそ
今花をつけたのだー。


ただ いつこのみありて たんとして かわらず
「唯 有一虚 湛不変
(秋山に雲雨を望み見て一心の趣をおもう詩)
迷いの雲がいくらかかってもただ、一虚(悟りの月輪)だけは
動かず有って湛々として変わることがない